anguillahouse 〜志免町の細⻑い家

その地域で生活を営む人々とともに、古き良き昔ながらの商店街も老朽化と高齢化が進み、かつて炭鉱の町として賑わっていた時代の輝きを完全に失ってしまいました。
何故かこの古い商店街の売地に目を付けた、施主家族5人の為の住宅です。
もともと商店街だった為、敷地の両サイドは隣の家との間隔が少なく、間口6ｍ、奥行き18.5mと、まるで「うなぎの寝床」のような敷地形状で、採光も非常に困難な状況でした。
施主家族の要望である「3台分の駐車スペース」を確保した上で、夫婦と母の寝室を適切な場所に配置。どうしても平面的な広さが確保できない子供部屋とLDKは、天井を高くする事で、ロフトと屋上バルコニーからの採光により、視覚的な広がり感を獲得しています。
この場所には、かつて寿司屋が建っていたわけで、地域住民や、もしかしたら炭鉱労働者達のお腹を満たし、皆が幸せなひとときを過ごしていたのかも知れません・・・　時代の移り変りのなかで、これからは、この施主家族が、幸せで充実した生活を送って頂ける事を願ってやみません。